はじめに
1月から3月にかけて、沖縄や奄美群島、小笠原諸島の海域にザトウクジラの親子が現れ、特別な時間が訪れます。
今回参加した沖縄本島でのホエールスイムでは、2日間で2個体のクジラと遭遇することができました。遭遇率としては決して高いとは言えませんが、海へ出続け、クジラと出会えた時の感動は人生観を変えるほどの価値があると思います。
本記事では、沖縄本島で開催されているホエールスイムでの実体験と注意点をレポートとしてまとめます。

ホエールスイムの基本情報
開催時期
1月〜3月
遭遇率
2日間のトリップで2個体
(2026年は各船苦戦していたようです)
距離感
多くの場合、20〜30mほど離れた位置から観察します。
クジラが興味をもって近づいてくることはありますが、こちらから距離を詰めることはありません。
参加条件
Cカード(ダイビングライセンス)保持者を参加条件としているショップが多いです。
ただし、一般的なリゾートダイビングとは少し性質が異なります。
当日の流れ
集合は朝6時30分頃、ホテルピックアップから始まります。
出港前のブリーフィングでは、安全よりもむしろ「クジラへの配慮」が強く強調されます。
- 追いかけない
- 水面でバシャバシャしない
- クジラの進路を妨げない
7時30分頃に出港し、帰港は15時前後。
海況やクジラの行動次第で、一日中探索のみで終わることも珍しくありません。
エントリー回数は多い日で10回程度になります。
水中で起きること
エントリー直後、すぐにクジラが見えるとは限りません。
むしろ最初の内はガイドが指さす方向をみてもクジラを見つけられません。
わたしたちの日常では目にすることのない生き物のサイズのため、脳がクジラと認識できなかったり、距離があるとシルエットがかなり薄くなるためです。
今回、水底で休んでいる親子クジラと遭遇した際も、脳がそれを「クジラ」と認識するまでわずかな時間差がありました。
水の透明度はその時の運です。今回は前日から続く雨の影響か、沖縄本島周辺の海域は濁りが強かったです。それでも、巨体がゆっくりと動く姿は問題なく確認できました。

難易度とリスク
船酔い
この時期の沖縄本島周辺は北風の影響で海況は荒れやすく、高確率で船酔いが起こります。
横になりながら待機している参加者も多く、それでもチャンスが来ると頑張ってエントリーしていました。(落ち着くまでエントリーせずに船で休むことも可能ですが、参加者の船酔いのためにツアー途中で帰港することほぼないと思います。)
泳力
激流に逆らって泳ぐほどの泳力は必要ありませんが、最大20分程度、水面で姿勢を維持できる体力は求められます。
寒さ
一度エントリーすると濡れた体で長時間、いつ次のエントリータイミングが来るか分からない状態で船上待機することになり、北風による体感温度はかなり低くなります。
ボートコートは必須装備です。(南風かつ晴れた日はボートコートなしで大丈夫でした。)
エントリー判断
船長とガイドは時間をかけて慎重にエントリーを判断します。
- クジラの警戒心
- 親子クジラか
- 停止行動
- 進行方向の予測
これらを総合的に判断し、「入らない」という決定も頻繁にあります。
クジラとの距離、そして葛藤
水面での人間のバシャバシャした動き以上に、実は船のエンジン音そのものがクジラへ負担を与えているのではないか、と感じる場面がありました。
クジラが少ない日には、複数のスイム船やウォッチング船が同じ個体を囲むこともあります。
クジラを見たいという気持ちと、クジラへの配慮。その間で揺れる感覚は参加者の皆さんが一度は感じているのではないでしょうか。

このトリップの特徴
ホエールスイムは、リゾートでのいわゆる「殿様ダイブ」ではありません。
ダイビング経験本数の制限はないものの、
- スタッフの判断・指示はときに厳しい
- 参加者のレベルも比較的高い
- ポジショニング次第で撮影結果が大きく変わる
- 1日中クジラに出会えず、クルーズだけで終わることもある
という特徴があります。
こういう風に聞くと身構えてしまうかもしれませんが、しっかりとスタッフの指示に従っていれば全く問題ありません。

こんな人におすすめ
- クジラが好きな人
- 撮れ高を最優先にしない人(クジラへの敬意)
- ガイドの指示をしっかりと守れる人
「必ず見たい」という期待よりも、「出会えたら幸運」という姿勢が重要です。
ベストな装備
- ボートコート(必須)※レンタルでOK
- 防寒インナー
- 曇り対策をしたマスク
- 長時間待機を想定した装備
水中よりも、船上環境への準備が重要になります。
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