伊戸シャークシティ|ドチザメと泳ぐ水中撮影ガイド~Shark City Ito — Photographing Japan’s Unique Shark Aggregation~

はじめに|なぜ伊戸は特別なのか

千葉県館山市・伊戸の「シャークシティ」は、日本国内のみならず世界的に見ても極めて特異なダイビングポイントです。

港からわずか数分の距離に存在するこの海では、数百匹規模のドチザメを中心に、アカエイや巨大クエ、コブダイ、ブリが乱舞する光景が日常的に見られます。

サメによる漁業被害を軽減するために漁業とダイビング業が協力し、売り物にならない雑魚をドチザメをに与えることで漁場から遠ざけています。
ポイント名「シャークシティ」の通りドチザメが住み着いており、世界で唯一の景観を生み出しています。

この記事では、伊戸シャークシティの魅力と水中撮影のコツを紹介していきます。

伊戸のドチザメ

■ポイント情報

  • シーズン:オールシーズン
  • エントリー:ボート(港から約3分)
  • メインポイント:シャークシティ
  • 流れ:あり

■当日の流れ

朝、ショップに集合後ブリーフィングを受けます。

  • サメの尾を掴まない
  • アカエイの接触に注意(これまで刺された人はいないそう)
  • エントリー・エキジットについて

その後、ボートで出港。

約3分であっという間にシャークシティへ到着します。

エントリー後、ロープ潜行していきますが、中層ではおなかを空かせたマダイ・メジナの群れが待ち構えていることも珍しくありません。

伊戸のメジナの群れ

着底後、約30分間サメたちと過ごした後、安全停止へ。

1ダイブごとにショップへ戻り、水面休憩を取ります。

日帰りショップツアーも多いため、3ダイブ目になると水中が一気に空くのも特徴です。


■このポイントの魅力|「数は正義」

伊戸の魅力は明確です。

圧倒的な生物密度。

  • ドチザメ
  • アカエイ
  • コブダイ
  • クエ
  • ブリ
  • メジナ

魚たちはよく肥えていて、どこか人懐っこい雰囲気さえあります。

スタッフが個体に名前を付けていることもあり、こちらも愛着が沸きます。

この子はブリの「なみへい」です。

伊戸シャークシティのブリ

■撮影成功率を上げるコツ

中層の「シャークトルネード」を狙う

ガイドが餌を与え始めると、ドチザメが中層で渦を巻く瞬間があります。

ここが最大の撮影チャンス。

ただし、

  • 四方八方からサメ・魚・エイが侵入
  • 他ダイバーもフレームイン
  • 動きの予測はほぼ不可能

という状況になります。

そのため、頑張って構図を作っても予期せぬ写り込みがとても多くなります。

構図を決めたら生き物たちの動きを可能な限り予測して、2~3枚連写で撮影するのがよいでしょう。

伊戸シャークトルネードの水中写真

■おすすめ撮影設定

  • レンズ:広角
  • ストロボ:必須
  • シャッタースピード:1/250以上

サメたちは人になれており、カメラにも構わず激突してきます。

また水深があるため、

  • 減圧限界
  • エアー消費

も注意しましょう。


■難易度とリスク

船酔い

移動時間が短く、ほぼ問題ありません。

はぐれリスク

一箇所に留まるスタイルなので、ガイドとはぐれる心配はほぼありません。

ですが、ダイバーの密度は高いので自分のチームが分からなくならないように注意しましょう。

また、濁りの強い日は、撮影に集中しすぎるとガイドを見失う可能性があります。

流れ

基本的に強い遊泳は不要ですが、安全停止中はロープ保持が安心です。

伊戸シャークシティのコブダイ

■伊戸が面白い理由

伊戸は単なる観光ダイブではありません。

漁業関係者とダイビング業者が試行錯誤を重ね、

  • 餌付け方法
  • 安全距離
  • 共存ライン

を模索して現在のスタイルが確立されました。

ポイント開拓を始めた頃のエピソードをガイドから聞くと、この海の見え方が変わります。


■撮影者向けアドバイス

3ダイブ粘る価値が非常に高い

  • これまで中層で与えていた餌を地面に撒くため、2ダイブ目までと違うシーンを撮影できる
  • 砂が舞うが迫力は別格

また、ダイビング施設は広く休憩スペースも十分確保されており、長時間の撮影でもストレスが少ない環境です。

外国人ダイバーの方も多いです。

伊戸シャークスクランブル

■まとめ|世界で唯一のサメ景観

伊戸シャークシティは、

自然と人間の関係性が可視化された海です。

野生と管理、その境界線の上に成り立つこの景観は、単なる「サメが多いポイント」を超えています。

一度潜れば、なぜ多くのフォトグラファーが通い続けるのか理解できるはずです。

日本で水中写真を撮るなら、必ず経験しておきたい場所のひとつです。

ドチザメの水中写真

Location: Ido, Chiba, Japan
Subject: Banded houndshark
Photography: Blue Current Studio


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